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21世紀的テレビライフ

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私と仲がいい方なら既知かと思うんですが、私は非常にテレビっ子なんです。こんなにテレビ離れが叫ばれているというのに。

まあ正しくは「物語が好き」なんです。なので私は、テレビっ子と言いつつバラエティ番組なんかは殆ど見ないで、ドラマや映画やアニメを日夜、地上波及びCATVで観て時間を浪費しています。(映画好きの旨は、以前の記事「Filmarksで美味しい試写会♪ - note」でご存知の方もいるかもしれません。)

そんな私がなるほどなーと感心したのが、最近のドラマやバラエティ番組が、追っかけネット(無料)配信をしている件。あ、「追っかけネット配信」という言葉は私が今作りましたよ。要は見逃した番組をインターネットで配信するという、NHK及び地上波の試みのことです。

友人が前クールのはじめに「面白いドラマがやってたんだけど、1週間は無料だから観てみて」と教えてくれたのがキッカケです。と言っても、後々どうもそれは1話だけ無料配信していただけのことらしい、と気付いたのですが。

キー局のテレビコンテンツのネット配信事情(現在)

そもそも。前述のとおり私はすごくドラマやアニメが好きなんですが、残念ながら連続作品を「観ない」という決断を下さざるを得ないことが、ままあります。

それは大体、「うっかり1話を見逃してしまった」時。最近の番組は、それを考慮してか否か、3話か4話になる直前の土日の日中に、「まだ間に合う!」的な総集編を放送していたりします。

ところがそんなもの、誰が気付くかいレベルだと私は思っていたわけですが、ネットで観られて補完できるとしたら、視聴者を呼び戻すのにはそんな優れた方法はない!と感心したのです。

そこへ来て、先日こんなこんなニュースが流れてきました。

在京民放5局が「見逃し配信」 ネット上で視聴OK 10月に実験開始 - 産経ニュース

「ジャンルや期間など詳細は未定だが」とのことなのでいったいどこまで対応されるか未知ですが、ニュースの文面のまま受け取ると、見逃した番組を翌週放送日前までネット配信で観られるようになる、らしい?

ちなみに今回どうでもいいことを調べてみたのですが(テレビ愛のなせる技)、現状は大体が有料配信、あるいは1話のみ無料公開状態。現在番組編成改編期なので非常に判りづらいですが、大体以下のとおり。

テレビにとってインターネットははたして敵なのか……?

ネット配信と地上波配信。一見、相反する感じもするのですが、個人的にはこれは日本のテレビコンテンツにとって起死回生のチャンスじゃなかろうかと感じています、テレビっ子的には。

私の周りの趣味趣向の近い人たちと話している感じ、最近の日本のテレビドラマについて、ストーリー自体のクォリティに酷い批判をしている人たちはあまり居ないように感じています。アニメについても、ものすごい熱意で、リアルタイム放送から遅れまいと収集している人たちも、結構近くにいません?(とは言え、アニメについてはオリジナル作品が少なくなってきていて、原作のあるものが増えたという声ももちろん聞きますが、そこは若干本筋と離れるので今回は弁解派として。)

では何故、日本のテレビは終わったと言われなければいけないのか?と考えるに、ただ生活が多様化しすぎているためテレビの前に決まった時間に着座しなければいけない、ということができないだけだろうというのが簡単に予想可能です。生活内での優先順位に、単にテレビ以上のものがあるというだけ。確かに最近、楽しいことが世の中にいっぱいありますもんねえ。

時間と場所の縛りから開放してなお視聴者がいないのであれば、その時点で初めて「日本のテレビは終わった」という意見へ異論を述べるのをやめようと思います。なんだか今のままいくと、脚本家になろうとする人たちすら居なくなってしまうんじゃないかと心配になってしまいます。。。

前述のニュースの通り、ネットで「見逃し配信」がされる際にはきっと広告(CM)が入ることになるだろうと思いますが、コンテンツさえ面白ければ全然問題ないでしょう。あるいは、新しいカタチのネット広告(テレビCMをそのままネットに持ってくる以外の方法での広告)ができたりするんだろうか!それはそれで楽しみです。

テレビの本当のライバル

最後に触れておくべき記事がありました。

全ッ然テレビと関係ない特集(デザイン)の内容が気になって読んでみた雑誌『WIRED』の冒頭で、「DO ADJUST YOUR SET - TVよ、備えよ。Netflixの衝撃に」というタイトルにてNetflixの特集がなされていました。

Netflixとは、(私もこの記事を読むまで詳細を知らなかったのですが、)単なるオンデマンド配信をする会社ではなくオリジナルコンテンツを持っていたりする、アメリカの映像ストリーミング配信事業会社です。

今の今は、日本のテレビは終わってない、と私も言い張れます。それは各放送局がまだ、コンテンツをかたくなに持っているから。ところが、配信元が各放送局から離れてしまったとしたら……それはもう、終わりとしか言えないでしょう。誰もテレビを観なくなると思います。いや、テレビの筐体は観ているかもしれませんが、中身はおそらく地上波ではないでしょう。

Netflixは、どうもテレビを丸呑みする力を秘めているようで、この特集を読みながらゾクゾク、ワクワクしました。『WIRED』の記事が本当に面白かったので、テレビっ子同盟にはぜひそちらを読んでいただきたいです。

特集は「ワイアード・バイ・デザイン」。雑誌『WIRED』VOL.15、3/10(火)発売!

WIRED VOL.15 (GQ JAPAN.2015年4月号増刊)

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