Global Accessibility Awareness Dayでした
Global Accessibility Awareness Day、通称GAADが今年も(先週)おこなわれました。
GAADとは、毎年5月第3木曜日に設定された、Globalと付けられた通り全世界共通でアクセシビリティについて考えようという日です。2012年から続く動きではありますが、日本でもやっと近年各企業の取り組みやイベントとして、目に耳にできるようになってきました*1。
先週は、GAAD Japan 2020が5/21(木)に、翌5/22(金)にはアクセシビリティの祭典が開催され、私も連日参加していました(いずれもそれぞれハッシュタグでまとめられていますので、個別に細かなレポートはこちらではしません。個別でTwitterをご覧ください → GAAD:#GAADjp/アクセシビリティの祭典:#accfes2020)。
GAAD Japanの方はすでにTogetterにてまとめられています。
ちなみに、GAAD Japanに寄せられた主催者Jennison Asuncion氏からのメッセージ(英語)から、GAADはギャァドと読むのか!じーえーえーでぃーじゃないのか!などの発見があったので、今後GAADと見たら「ギャァド」と読むのがよさそうです。(※ ちなみに私には [gˈæːd]な感じに聞こえました。)
リアルタイム参加とTwitterの感想発信と閲覧と
前述の通り、GAAD自体は随分前からのものであるのですが、日本ではそんなに「GAAD」というワード自体を目にしていない気がします。
しかし2日目におこなわれた「アクセシビリティの祭典」は過去5年間、GAADに合わせて日本(@神戸)でずっと開催されてきています。今年は(どういった関係でズレたのか存じ上げませんが)金曜日に開催がずれていたため、当日の木曜日には東京でGAAD Japanが開催された、ということのようです。
私がアクセシビリティの祭典に最初に参加したのは(たしか)2年前、その前からイベント自体は知ってはいたのですが、距離的な問題もあり断念しつづけ、一昨年から毎度参加しています。
私は元来そこまで常に「オンラインでないと死んでしまう!」派ではないため、例年は現地でじっと聞く感じで受講していました。確か去年からリアルタイム配信もおこなわれていたので、なんなら去年も東京でも……と迷いもしたのですが、現地では支援技術や当事者の作品展示なども結構な件数あるため、オフラインとしての旨味を味わおうと出向いていたのです。
それが今年は、GAAD Japanとアクセシビリティの祭典ともに、ソーシャルディスタンスの関係でオンライン開催に。
オンラインですので仕事のBGMに……という手もありましたが、じっくり真剣に聞こうと思い主業務は完全シャットアウトしての参加。その分、私もTwitterで逐一ツイートで貢献(?)しながらの参加となりました。
その結果、配信を見ている最大200人以上と感想をともにしながら各配信を楽しむことができました。
自分のちょっとした感想、他の人が思った考察、場の共感、それがオンライン上でリアルタイムに入ってくるわけですね。なんなら、ハッシュタグをつけていないボヤきですら、同時に拾って反応してくれる人も。そういうのは後からの検索では上がってこないものです。
前述の通り、例年は私は現地でオフラインで参加していたので、こういう感じ懐かしいな、いいな、という小並な感想を持ちました。
技術を使うということ
GAAD Japanもアクセシビリティの祭典も、どちらも「アクセシビリティ」ということを起点にしているものの、今年は方向性が明らかに違う感じがするなと感じました。
今年は、というか、去年まではGAAD Japanが別日に開催されていたのもあり比較は明確にはおこなっておらずですが、いずれにせよ今まではどちらも「Webアクセシビリティ対応方法」にフォーカスされていたように感じていました。
ところが今年のGAAD Japanでは「技術を適切に利用し、いかに万人に使いやすいものを作るのか」という一方、アクセシビリティの祭典では去年にも増して「障害当事者がいかにその能力を活かし、広く一般に利用されるサービスや仕組みが改善できるのか」というアプローチがなされていました。
GAAD JapanではのっけからUDトーク開発者の青木氏が、当日の配信(YouTube)の遅延のためにちょっとだけ遅い字幕を表示させることができるアプリを開発されていたりして度肝を抜かれました。
アクセシビリティの祭典では、当事者がアイディアの発端を握っている例がたくさん紹介され、まさにインクルーシブな開発フローにあふれていました。
技術を使うことでの効果や、スピード感などを体感し感心する2日間だった、という感覚があります。
そもそも私自身もアクセシビリティについて「きちんと取り組もう」と思う動機は、せっかく作るものが一人でも多くの人に届けば/使ってもらえれば、という思いからです。それを再確認しました。
GAAD Japan参加中の感想として、
今日は見えているところがちょっと広い方たちの思いを改めて聞けたような気がしました。
— emi moriya (@emim) 2020年5月21日
きっと各所でA11y「向上」に取り組んでいる人たちもみんな含めてチームなんだろうなーって、
感じましたね。#GAADjp
という一文を残しましたが、日本ではまだまだ聞き慣れない「GAAD」において、他よりちょっと先を行く人々の視点や考え方に触れられた2日間だった気がする、というのがホントの本音です。
アクセシビリティ向上に関する知見や興味が低いと感じる日本において、GAADが、そしてアクセシビリティが、早く一般的な取り組みとなるといいなと願います。
そうそう、上記でも(一応拝見した前後として)明確に書き分けをしたつもりですが、障害当事者の辻氏がこのようなツイートをされていました。
皆さんが「アクセシビリティ対応」じゃなくて「アクセシビリティ向上」って言ってくださっているの、うれしいなあ! #GAADjp
— 辻勝利 (@KatsutoshiTsuji) 2020年5月21日
アクセシビリティは対応するものではなくて、制作者誰もが常日頃から向き合うべきことですよね。